僕は貴方を愛してゐる そして 貴方は其れに気付ゐて呉れなゐのだ
如何して? 僕は何時も貴方の隣に居たでせう?
「曽良君」 僕の名前を呼ぶ貴方が酷く愛惜しくて 僕の名前を知つて居る貴方が嬉しくて
思はず 僕も貴方の名前を叫ぶのだ 喉が枯れても 構はなゐ 貴方の為ならば

微笑つて欲しひ 啼ゐて欲しひ 貴方には只 しやくり上げて欲しひ 喚ゐて欲しひ
気化したひ 貴方に一番近づく為に 既に貴方に纏わり憑くこの空気が疎ましいから
この空気になれば僕は貴方に最も近づけるのだ 貴方と何時までも触れ合つて居られるのだ
其して貴方の心を捉ふて 酸化させて 崩させて 其して貴方を消す下火にも為らふ
如何ですか 幸福ですか 僕はとても幸福です だつて 貴方と消えられるんですもの